2023年01月20日
目次
屋根の棟板金が浮くのはなぜ?
屋根の面同士を繋ぐ棟板金が浮いてしまうと、住宅に悪影響を及ぼします。
取り返しのつかない事態に発展する前に早めに対処することが大切です。
今回は、屋根の棟板金が浮く理由に加え、対処する際のポイントについて解説します。
雨漏りなどにより、屋根の状態が心配だと感じている方は一度参考にしてください。
釘が浮くことで屋根の棟板金も浮いてしまう
屋根の棟板金が浮く主な原因は、棟板金を固定している釘が浮いてしまうこと。
さまざまな理由で釘が浮き、被害が大きくなってしまいます。
釘が浮く主な理由は以下の通りです。
・経年劣化
・風圧
・気温の変化
・下地に用いられている木材の腐食
早速ですが、各理由について説明します。
経年劣化
住宅は年数が経つにつれて劣化していきます。
年数の経過に伴い、棟板金を固定する力が弱まり、釘が浮いてしまう場合があります。
築年数が長くなった場合、住宅全体をチェックし、違和感がないか把握しましょう。
風圧
屋根自体、風の影響を受けやすいです。
長年、風に晒されている間に釘が浮いてしまい、最悪の場合は抜けてしまうかもしれません。
台風や強風の後、屋根に問題がないかチェックしておきたいところ。
気温の変化
棟板金自体、気温による影響を受けやすいです。
気温が上昇すると、棟板金が膨張します。
それに伴って釘が浮いてしまいます。
また、気温が下がると、棟板金が元の大きさに戻るものの、釘は浮いたままなので注意したいところ。
棟板金の膨張と収縮は日々繰り返されます。
下地に用いられている木材の腐食
屋根の下地に木材が用いられています。
雨水が棟板金の継ぎ目などから侵入することにより、木材が腐食。
結果、釘が緩んでしまいます。
腐食した木材は釘を固定しにくくなるので、最終的に抜けてしまう恐れがあります。
屋根の棟板金が浮くとどのような弊害が起きるか
浮いた棟板金をそのまま放置するのは止めましょう。
さまざまな弊害が発生し、最悪の場合は取り返しのつかない事態に発展するかもしれません。
ここでは、どのような弊害が発生するかについて解説します。
雨漏り
長期間に渡って浮いた棟板金を放置し続けると、雨漏りが発生します。
屋根には、雨水の侵入を防ぐルーフィングが用いられているものの、何かしらの拍子で破損してしまう可能性もゼロではありません。
雨漏りが発生する前に屋根の補修を済ませることが重要です。
木材の腐食を助長
雨水の侵入により、雨漏りだけでなく、木材の腐食を促進させてしまいます。
結果、住宅全体が劣化し、倒壊する恐れが出てきます。
自分の身はもちろん、家族や資産を守るためにも木材の腐食に対して早めに対処することが重要です。
棟板金の落下
棟板金が剥がれ、屋根から落下する恐れがあります。
最悪の場合、人にケガを負わせたり、物を破損させるなどの被害に発展する可能性も十分考えられます。
台風などの災害が起きた際は、棟板金が落下していないかどうかチェックしましょう。
屋根の棟板金が浮いた際の対処法
屋根の棟板金が浮いた際、どのような対処が行われるか気になっている方も多いのではないでしょうか?
ここでは、対処法を何点か紹介します。
釘の補修
太めの釘を打ち、屋根の棟板金を固定。
場合によっては、ビスで固定する場合もあります。
ビスはネジになっているため、釘に比べて抜けにくいです。
棟板金自体を交換する
木材などに問題が発生していると、釘の補修だけでは済みません。
棟板金自体を交換し、雨漏りなどによる被害を防ぐことが重要です。
屋根の棟板金をDIYで補修しようとしない
屋根の補修を行う際、高所での作業も必要になってきます。
最悪の場合、屋根を破損させたり、落下などの事故が発生してしまうかもしれません。
破損状況によっては、想像以上に修理費用がかかってしまいます。
屋根の状態を悪化させないためにも、DIYで対処するのは止めましょう。
実は天窓交換時に棟板金も交換がおすすめ?!
実は天窓と棟板金の寿命は近く、おおよそ25年程度
天窓が雨漏りしているなどと言うことが起きている場合
棟板金も同時に交換したほうがいいでしょう
さらに、天窓交換時には足場を設置します
足場をかけることにより屋根作業もできるので
同時に棟板金の交換がオススメなのです。
業者に屋根の補修を依頼することが大切
屋根の棟板金が浮いていると感じた際は、業者にいち早く相談することが大切です。
修理費用を安く抑える場合、板金業者や金属屋根の修理を専門にしている業者に依頼することをおすすめします。
トラブルを避けるためには、信頼できる業者を見つけましょう。
業者の施工事例や費用、保証内容だけでなく、口コミやSNSでの反応もチェックしたいところ。
住宅の補修やリフォームなどを行う際は情報収集を入念に行ってください。
火災保険が利用できるケースがある
火災保険で屋根の補修ができる場合があります。
台風や強風などによる破損が認められると、火災保険が適用されます。
屋根の破損が生じてから3年以内に請求しないと、火災保険で屋根を補修できなくなってしまうので、注意してください。
まとめ
経年劣化や風圧、気温の変化などにより、屋根の棟板金が浮いてしまいます。
そのまま放置してしまうと、雨漏りなどの被害が発生します。
最悪の場合、大きな事故に発展し、自分だけでなく、周囲の方に被害が及んでしまうかもしれません。
普段から住宅に関心を持ち、違和感がないかチェックすることが大切です。
屋根に問題があると感じた場合は、業者に相談し、早めに対処してください。
屋根からの雨漏りや天窓(トップライト)からの雨漏りのご相談はこちらまで
電話の方は 0463-34-3501 まで
この記事を書いた人
成田 崇
- 瓦ぶき2級技能士
- 瓦屋根工事技士
- 瓦屋根診断技士
【趣味】サーフィン・山登り・バックカントリースキー・読書・旅行
〇かわらぶき2級技能士とは?
瓦屋根工事に必要な知識と施工技術を備えていることを証する資格で、瓦職人にとって欠かせない国家資格です。 試験は学科試験と実技試験で構成されており、実技試験では実際に一文字軒瓦または万十軒瓦を使った瓦葺き作業を行い受験者の施工レベルを審査します。
〇瓦屋根工事技士とは?
国土交通大臣が認定する資格で屋根工事に従事する者として必要な瓦屋根についての適正な知識を備えていることを証する資格です。 この資格取得では屋根の施工に関する知識はもちろんのこと、建築に関わる知識、安全に関する知識、法規等、さまざまな知識が求められます。
〇瓦屋根診断技士とは?
国交省所管の公益法人(社)全日本瓦工事業連盟(全瓦連)が高い技術、技能を持つ工事技術者に対してのみ与える資格です。 この資格の取得条件はかわらぶき技能士と瓦屋根工事技士の両方の資格を備えた者となっており、国内の瓦屋根工事技術者における最上位資格といえます。
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